ティファニーで朝食を
「ティファニーで朝食を」 トルーマン・カポーティ 村上春樹 訳
・・・第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわしながら、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった・・・。(本書カバー)
約9年前に他の訳者本を読んでいます。
今回、読書会の課題本となったのでゴソゴソ探したが、見当たらない・・・ということで新たに求めたら、村上春樹版でした。
訳者が変わっても、内容が大きく変わることはないと思うが、おぼろげな記憶ながら以前読んだ読後感の方がハッピーエンド感が強い気がします。
本当にハッピーだったのかは?ですが、ハルキストは謎感・曖昧感を好む?。
ちなみに昨今、我が国で「港区女子」?なる存在があるようですが、ホリー・ゴライトリーみたいなような存在でしょうか。
現代のホリー・ゴライトリー(もどき)は、存在や立ち位置も曖昧なメディアの創作なのかもしれないけど。
同じ創作なら映画「ティファニーで朝食を」の、ホリー・ゴライトリーが素敵です。
・・・「私たちはお互い誰のものでもない、独立した人格なわけ。私もこの子も。自分といろんなものごとがひとつになれる場所をみつけたととわかるまで、私はなんにも所有したくないの。そういう場所がどこにあるのか、今のところまだわからない。でもそれがどんなところだかはちゃんとわかっている」、彼女は微笑んで、猫を床に下した。「それはティファニーみたいなところなの」と彼女は言った。・・・(P.64)
ミス・ホリデー・ゴライトリー・トラヴェリング・・・自分の「ティファニー」を探す旅に。