明治維新という物語

明治維新という物語 政府が創る「国史」と地域の「記憶」 宮間純一 著

・・・なぜ」、人びとは過去をふり返り、「歴史」として語るのか。どうして、明治維新は数ある「歴史」のなかでも特別な地位を築いてきたのか。明治維新と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、「維新の三傑」と呼ばれる大久保利通・木戸孝充・西郷隆盛や、徳川慶喜・勝海舟・坂本龍馬・高杉晋作・土方歳三などの著名な人物、あるいは大政奉還・王政復古。戊辰戦争・廃藩置県などといった政治史上の大事件だろう。こうした人物や出来事は、教科書をはじめとする日本通史のほか、明治維新を扱った小説・テレビドラマやアニメ・漫画・ゲームのなかに何度も登場してきた。一方で、地域に目を向けると、そうした「歴史」とは異なるさまざまな明治維新を発見することができる。・・・(はしがき)

 

歴史の授業はモチロンのこと、小説やドラマで「明治維新」を知ったような気になっています。

加えて、史料や記録も多く残っているので、史実としては正確だと思っています。

本書を読みながら「明治維新」の捉え方も戦前と戦後では違ったであろうと思いました。

更には現代の「明治維新」の捉え方も変化してきているような気も。

 

幕末から「明治維新」への過渡期には、勤王派と佐幕派がいたワケで・・・国内が混乱し戊辰戦争が終了しても各地ではクスぶっていたはず。

それが教科書やドラマに現れない地域の明治維新として「郷土史」となっている。

なかには、文章化せずに、言い伝えのみの歴史があるかも。

観光資源としてのそんな歴史を掘り起こすこともあるようです。

 

幕末~近代でも、明治政府が自らを正当化しようと「歴史」と「歴史観」を創り上げたくらいだから、さらに以前の「歴史」は操作されていても当たり前。

近代になってから創られた「歴史」は数多いでしょう。

また「歴史」が「物語」になることも。

本書の主旨と違ってきたかもしれないが、歴史と史料は読み解くのは難しいし、読み手の立場も微妙になってしまいます。