日本終戦史1944-1945

「日本終戦史 1944-1945」 和平工作から昭和天皇の「聖断」まで 波多野澄雄 著

・・・泥沼化する日中戦争、太平洋を挟んだ日米戦争、東南アジアでの日英戦争、原爆投下、敗戦前後の日ソ戦争。米中英ソとの複合戦争はいかに推移し、幾多の和平・収拾策にもかかわらず、なぜ早期に終戦できなかったのか。他方、本土決戦を目前に、なぜ「聖断」で終戦が可能となったか。・・・(本書カバー)

 

今年2025年は、終戦から80年ということで本書を始め、関連報道や書籍発表が多かったように思います。

以前読んだ「日本のいちばん長い日」を思い出しながら読み進めます。

 

これまであまり目にする機会がなかった、日本側の「決号作戦計画(本土最終決戦)」と連合国側の「ダウンフォール作戦(日本本土侵攻作戦)」についての詳細がありました。

もっと早くに終戦を迎えられなかったのか?もし遅れていたらどうなったのか?~が渦巻く。

書籍等でしか当時の状況を知ることが出来ないうえに、表面的な情報しか知らないので、軽々に意見するのもはばかれます。

一日でも早く終戦を!とは裏腹に会議や調整ばかりが続き、その間にも最前線では(後方でも)悲惨な戦いが続くのが、とてももどかしく感じる。

 

・・・「あの降伏の時期が、実際よりわずか二週間をはさんで早められたか遅れたかだけでも、戦後の世界の情勢は著しく違ったものになっていたであろう。二週間前に降伏していれば、原爆投下もなかったし、ソ連の参戦も起こらなかった。二週間降伏がのびていたらロシア軍の極東進撃はさらに進んでいただろうし、日本の破壊も回復できぬものになっていたであろう」・・・エドウィン・ライシャワー(元駐日アメリカ大使)

 

皮肉なことに「決号作戦計画」が、終戦後の復員計画や復興に役に立ったということも。