神と仏の人文地質学

「神と仏の人文地質学」地殻変動で解き明かす日本古代史 巽好幸

・・・聖武天皇が仏教に傾倒し、世の平和を祈って建立した東大寺の盧舎那仏。この時代に、日本はヤマト王権から続く「神々」への祭祀を軸にした祭祀国家から、「仏法」に基づいた統治を行う鎮護国家へと舵を切った。国家体制を根本から覆すほどの大変貌。その裏には、大地震をはじめとする日本列島で起こった災害と、約1400万年前の超ド級マグマ活動によって熊野にできた豊かな鉱脈があったーーー!?・・・(本書カバー)

 

マグマ学者?の著者が、その専門知見で日本古代史を語ります。

古代ヤマト王権が奈良の地で成立した理由~伊勢神宮が伊勢にあるのは~。

聖域・熊野(紀伊半島)を作ったのは地球規模の大地殻変動の結果。

奈良の大仏~そして神仏習合(融合)へ至ったのは・・・とにかく興味深いテーマてんこ盛りで読後は、お腹いっぱいになりました。

本書中にはいくつも図解が載っていますが、もっと大きく見たいので地図帳を引っ張り出してきて併せて辿っていました。(グーグルより地図帳!)

日本列島の成り立ちに日本神話のストーリーを重ね合わせるという歴史ロマンストーリーに鳥肌が立ちます。

プレートテクトニクスでは、フィリピン海プレート・太平洋プレート・ユーラシアプレート・北米プレートが重なり合う日本列島は、海側プレートが陸側の下に沈み込むことで、歪みが蓄積され巨大な地震や活発な火山活動が頻発する、世界有数の自然災害多発地帯になる・・・。

 

・・・日本の自然界が空間的にも時間的にも複雑多様であり、それが住民に無限の恩恵を授けると同時にまた不可坑な威力をもって彼らを支配する。その結果として彼らはこの自然に服従することによってその恩恵を充分に享楽することを学んだ。この特別な対自然の態度が日本人の物質的ならびに精神的生活の各方面に特殊な影響を及ぼした。・・・(中略)・・・仏教が遠い土地から移植されてそれが土着し発育し持続したのはやはりその教義の含有するいろいろの因子が日本の風土に適応したためでなければなるまい。仏教の根底にある無常観が日本人のおのずからな自然観と相調和するところのあるものもその一つの因子ではないかと思うのである。鴨長明の方丈記を引用するまでもなく地震や風水の災禍の頻繁でしかも全く予測し難い国土に住むものにとっては天然の無常は遠い祖先からの遺伝的記憶となって五臓六腑にしみ渡っているからである。・・・「日本人の自然観」寺田寅彦

 

我々(特に日本列島に住む人々)は、太古から大地の恵を受け生かされつつ、同時に大地から災いも受けて来たのだなぁ。

同時にそれが歴史になったのだなぁ。