「美食地質学」入門
「美食地質学」入門 和食と日本列島の素敵な関係 巽好幸
・・・日本独自の食文化、和食。出汁や醤油、豆腐に豊かな海産物は欠かすことのできない食材だ。では、なぜこれらの食材は日本で育まれてきたのか。その理由は日本列島の成り立ちにある。例えば、昆布出汁。ミネラル(特にカルシウム)を多く含む硬水では旨味成分をうまく抽出できず、軟水の多い日本だからこそ、その真価を発揮できる。そして、日本の水に軟水が多いのは、活発な火山活動と地殻運動によって急峻な山地ができたことで、川や地下水の流れも急となり、ミネラルが溶け込む時間が短くなるからなのだ。和食と日本列島の成り立ちには、切っても切れない結びつきがある。・・・(本書カバー)
以前に読んだ「神と仏の人文地質学」が面白かったので、同著者の本書を手にしました。
学者先生は何事にも詳細までこだわりますね~お酒や料理の解説もハイレベル。(難解)
富山湾のブリや白エビ・ホタルイカ、能登の岩牡蠣や加能蟹について、それらが美味しい理由について詳細に述べられています。
日本各地の名産について「○○はこの地方の豊かな自然に育まれてきました」・・・と、よく言われるが地質学の見地だとプレートテクトニクスによる地殻変動や火山活動が世界一活発な日本列島で、地震や噴火などの過酷な試練を人々に与えたと同時に、その恩恵としての山海の幸が享受できている~ということでした。
自然の恵みと先人の知恵と工夫に感謝して~いただきます。
・・・これまで日本人が有史時代に経験してきたものとは比べものにならないほど破局的な試練が、日本列島の進化というタイムスケールでは必ず起きるのだ。ひとたび起きれば日本喪失を引き起こしかねない超巨大噴火は、今後100年間に約1%の確率で発生する。和食という唯一無二の食文化の素晴らしさを、私たちの子々孫々も楽しめるようにすることは、今を生きる日本人の責任であると感じる。・・・(エピローグ)
自然の脅威と美味いは表裏一体の面もある。
