「ライ麦畑でつかまえて」 J.D.サリンジャー  野崎 孝=訳

これまた、今更ながら~読みました。

全編モノローグ調の変わった青春小説。

「赤頭巾ちゃん気をつけて(庄司 薫)」みたいです。 

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「もしも君が、ほんとにこの話を聞きたいんならだな、まず、僕がどこで生まれたとか、チャチな幼年時代はどんなだったのかとか、僕が生まれる前に両親が何をやってたとか、そういった 《デーヴィッド・カパーフィールド》式のくだんないことから聞きたがるかもしれないけどさ、実をいうと僕は、そんなことはしゃべりたくないんだな。」

 

訳語(話し言葉)が~背伸びしたい世代っぽい印象を与えるが~読み出した最初の方は違和感ありあり。

 

語り手(主人公)の、ホールデン・コールフィールドは全寮制高校に通う(通っていた)。

この学校は、有名大学進学のためのプレップスクールかと思われます。

しかし、単位が足らずドロップアウト。

寮から抜け出し、実家があるニューヨークへ向かうまで~到着後の破天荒なドタバタが描かれています。

何故?そんなに、イキガルのか?、ムチャクチャするのか?。

そんなにトンガってどうする・・・と?だらけ。

ホールデンと同世代だったら理解できたかもしれないが~どうだろう。

もっとも、こんな勇気はなかっただろうケド~。 

また、アメリカの上流階層(多分)の生活が垣間見れるのも興味深い。(日本でいうと昭和30年くらいの時代背景)

 

社会(危険な崖があるライ麦畑)で、世間知らずに遊び呆けてしまったが、助けてくれる(捕まえて)家族や仲間があった・・・と自虐的に語る主人公は、おそらく立ち直ったのでしょう~。

 

あゝ青春の黒歴史(しかし贅沢三昧)。