「方丈記」 鴨長明 現代語訳付き(簗瀬一雄 訳注)

51zJremSs0L__SX350_BO1,204,203,200_.jpgゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。

世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。

 

・・・流れて行く川の流れは絶えないのであるが、しかし、その川の流れをなしている水は刻刻に移って、もとの水ではないのだ。

流れが停滞しているところの水面に浮かぶあわは、一方においては消えるかと思うと、一方においては浮かんで、一つのあわが、そのままの姿で長くとどまっているという例はないものだ。

世の中に住んでいる人間と、その人の住居とは、やはりこのように、一時も停止しないものなのである。

 

「枕草子」・「徒然草」とともに日本三大随筆に数えられる「方丈記」を初めて読むのでした。

穏やかな感じ(古典で習ったと思う)の「枕」・「徒然」と違い、いきなり「ゆく河の流れは絶えずして・・・」で、人の命もそれを支える住居も無常だという諦観(!)の下、次々に起こる大火・台風(竜巻?)・飢饉・地震などの天変地異が描かれます。

また、突然の福原遷都に対する政治的な不平不満も。

現代語訳だけだと、直ぐに(20頁も無い)読み終えることができます。

原文はつらい。

 

800年前も、現代も殆んど変わっていないのか。