三四郎
「三四郎」 夏目漱石 を読みました。
マッタク未読が多いため、タマにこのような教科書的文学作品にふれてみたくなります。
時代背景(この作品は明治40年くらいが舞台)のためか、作品のテンポもゆったりしていて疲れない。
ただし、スロー過ぎてまどろっこしく感じることも少々・・・。冬の寒さも夏の暑さも今よりも優しい感じがします。
名前から想像してもっと強い主人公かと思っていたのだが、与次郎にウマいように振り回される三四郎。
そしてお互いに煮え切らない美禰子さんへの恋心は・・・・。
電話もないこの時代、コミュニケーション手段は、直接会って話すか手紙のやり取りしかありません。
また小包の配達網は現在同様に、全国津々浦々までカバーしていたようです。(チョッと驚き。)
この時代の大学生(東京帝国大学)である三四郎はもちろんエリートで、その周りの登場人物もインテリであり、いわゆる上流階級ばかり。
下女・・・という言葉がワリと登場していたように、四民平等とはいいながら階層社会が根強かった時代を感じます。
闊達(!)な九州男児のはずの三四郎は自分を抑え過ぎているのか、読みながらも歯痒かったりしました。
迷羊(ストレイシープ)じゃイカンのにな~。
明治の田舎青年は純粋な人間が多かったのだ。