ゾンビ回収婦

「ゾンビ回収婦」 小砂川チト 第百七十五回芥川賞受賞作

・・・ヘッドセットをおそるおそる装着したとたん、ヘリコプターのなかでわたしのあたらしい意識は目覚め、目覚めたそばからたちまち、回転しながら墜落をはじめたのだった。

操縦席にいる大柄の黒人が叫ぶ。神よ!

現実と見紛うような視界にわたしは圧倒されていて、それどころではなかった。なんてうつくしいんだろう?いまどきのゲームって、こんなことになっていたの?なにこれ、なんなの、こんなのアリ?だってこんなの、現実よりきれいなんじゃないの?おもわず頬がほころび、錯乱したようすの黒人に笑顔を向ける。

黒人は叫ぶ。おお、神よ!マジなのかよ!

地上が近づき、ついでに爆風と閃光とが炸裂して視界を覆い尽くす。・・・

 

AIに仕事を盗られた主人公は、VR空間のバトルフィールド内で、バラバラになったゾンビを片付けるNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)となって働きはじめることに。

そもそもこの手のゲームをしないので、よくわからないがVR空間と現実が入り混じった感覚に陥ることがあるのかもしれない。

どちらがリアル世界なのか。

VR空間の方が働き甲斐があるのか。

 

【働かざるもの 食うべからず】

【ちゃんとしなさい 恥ずかしい 他人様に迷惑をかけないー】

【お前は人より何倍も努力して、ようやく人並みなのだから】

【あなたの事情など知りません お客様にはなんら関係ありません】

【なんだその程度で 勘違いするな 調子にのるな みっともない】

【急げ 急げ 結果出せ 急げ 急げ ミスすんな】

これらのタトゥー(辛辣な言葉の雨あられ)が入った身体部分を拾っていく。

 

物語についていけない・・・とも感じたが、昭和的言葉で現実に引き戻されました。