「ケルトを巡る旅 神話と伝説の地」 河合隼雄 著。

何の前知識もなくタマタマ~この本を手に取りました。

ケルトって聞いたことあるけど何なのか?。

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~キリスト教以前のヨーロッパに存在したケルト文化。

ケルト人は文字を持たず、歴史を書き記すこともなかった。

しかしアイルランドやイギリスの文化には、その影響が今なお色濃く残っている。

自然と共に生きたケルト人。自然から切り離された現代文明に行きづまりを感じる西洋人もまた、ケルト文化に再び目を向け始めた~。

 

臨床心理学者が自然と人間のつながりについて語る、やや不思議な?本でした。

日本の昔話(うらしま太郎)に似た、アイルランドの昔話があります。

始まりの「むかしむかし~」は、「これから話すことは日常の話とは違いますよ。ちょっと違う世界に行かなければいけません・・・。」と、聞き手への注意。

話の最後に「~があったとさ。」で日常に戻す。

聞き手が”おはなし”の世界と日常の現実を混同しないようにするためだという・・・。

それだけ”自然”と”人間”が一体化していたのがケルトを始めとする、世界各地のキリスト教以前の文化だったのか。

 

ケルトの昔話がいくつか紹介されていました。

夜中に読みました。背中がゾクゾクします~”ちょっと違う世界”を垣間見る”怖さ”だったのか?。

現代は自然と切り離された日常だが、一体化していた頃の記憶が代々引き継がれてきており、昔話や遺跡にふれると、自然の優しさと過酷さが、こころの奥で覚醒され~それがゾクゾク感や温もり、なつかしさを感じるのかもしれないな~と思う。

 

現代の「魔女」との対談もあります。

といっても魔法なんてない。キリスト教では異端視されるがケルトでは職業として存在。

相談者との対話から、その人の進むべき方向や方法を提案する。

決して「こうしなさい!」とは言わない。選択肢を示し相談者に決めさせる。

著者が行うカウンセリングに似ている。

(深刻な悩みや手におえない場合、「魔女」が医師等の専門家を紹介する・・・というのはオイオイ~って感じですケド。)

 

紀行文・エッセイ的に読むが、心理学者さんがケルトを切り口に、宗教・自然・人間社会について描く難解な内容もタクサン。

ケルト~アイルランドのことが、少しは理解できるかな?と思い読んだのですが、ますます深みハマり~もがくことに・・・。