薦められて、ルポルタージュ「紀州 木の国・根の国物語」 中上健次 を読む。

独特の文体?のためか、時間がかかりました。

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著者が紀伊半島を巡りながら、その土地の人々と交わした言葉の”ディープ”な記録。

彼の地は温暖で観光地も多数あり、太古から歴史の舞台に登場する場所・・・程度のイメージしかありません。

紀州は、昔から木の産地”木州”である。

木は根を張る。

“根”とは地下世界を意味する。

地下世界とは、冥府であり浄土でもある・・・隠国(こもりく)。

 

土地~土地に住む人々の小さな声、敢えて表に出ない声がありました。

土地の言葉そのままで書いてあり、とても読みづらいがリアリティがあります。

 

40年近くのルポなので、言わば近代史のような感覚で読んでいましたが、全国各地にも表に出ない多くの声や事柄・歴史があるのだろうな。

知らなかった(知ることを避けていた)社会の一端を垣間見れたのでした。

 

真の”地下世界”は、人間の心にあるのかも。