「コンビニ人間」 村田紗耶香 (第百五十五回芥川賞受賞作)

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著者は現在でも週3日は、コンビニでのアルバイトをしているといいます。

その経験を元に書かれたので、文字通りのリアルな「コンビニ人間」。

 

コンビニの制服を着ることで「個人」ではなく、コンビニの店員となる。

コンビニで働くことで、社会とのつながりを持ち、普通の人間として振舞う(見られる)ことが出来る。

同時に、コンビニチェーンの「部品」の一つとなる。

 

至るところに有り、24時間営業で、生活インフラのひとつとなったコンビニ。

よく報道される、過労働や消費期限切れ商材の廃棄問題が散りばめられているが、本作ではそんなのは小さい問題のようです。

現実にも主人公のような「コンビニ人間」は大勢いるでしょうし、その方々によってコンビニは支えられ運営できているのでしょう。

遠まわしの待遇改善要求にも思えたり・・・。

 

今後、コンビニに行くときは主人公の目線で見てみます。

コンビニの一部となった?主人公だけではなく、コンビニの店員さんもお客さんも、コンビニに関わる人は、皆「コンビニ人間」なのでした。