「縄文の神が息づく一宮の秘密」戸矢学

著者の本は3冊目。

なぜか興味がピンポイントです。

・・・「一宮」は、各地域で最も古く由緒ある存在であって、文献のない時代から各地域の人々の信仰によって成り立っていたものである。いわば神道信仰の原点であると言っても良いだろう。・・・(まえがきにかえて)

 

現在、神社本庁に登録されている神社総数は約8万社あるという。

本書で取り上げられている「一宮」は48社。

延喜式神名帳(最古の神社記録 927年)にあり、さらに著者によって朝廷や幕府等の政治的な影響を排除された、律令政府誕生以前から存在する神社を「一宮」としています。

伊勢神宮は「一宮」ではないのか・・・。

北陸では、白山比咩神社雄山神社彌彦神社若狭彦神社氣比神宮氣多大社

祀られているのは古事記・日本書記に登場する神々ばかりだが、記紀成立以前から存在している神社です。

本来は縄文期の自然信仰の神々(火山・巨石・巨木・・・)や何か?を、祀っていた。

そして、本書の終盤で指摘される日本列島の中央構造線上には、伊勢神宮を含め10の「一宮」が鎮座している!事実は、実に興味深い。

一宮は、著者の言う通り縄文の太古から「荒ぶる神を鎮めるために建っている」のかもしれないな・・・。