「世界史の極意」 佐藤 優 著

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「資本主義と帝国主義」「ナショナリズム」「キリスト教とイスラム」を切り口に、歴史的出来事をひも解いて行きます。

著者は、”知の巨人”といわれるだけに、歴史解説に留まらず現代の世界情勢が、どのようになっていくか?を、過去の出来事から類比(本書ではアナロジー的に見る)しています。

世界史だけに、以前聞いたことのあるような歴史上の出来事や人名が登場。

しかし学生時代は、それらを覚えることに必死(でもないか・・・)で、時代背景や他の出来事との関連を考えることはマッタクなかったのでした。

 

あとがきで、著者が学んだ同志社大学神学部・藤代泰三先生の授業の思い出が書かれています。

・・・チョークで黒板にたくさん点を書いて、それを線で結んで、藤代先生はこう言った。

「皆さん、ここに書いた図の意味が分かりますか。この点は一人一人の人間です。その人間がさまざまな人と相互に関係している。この世に生を受けた、たった一人の人を除外してしまっても、歴史は成り立たないと僕は考えます。・・・(略)・・・他人の気持ちになって考えること、他人の体験を追体験することを、どれだけ繰り返すかで、歴史理解の深さが変わってきます。そして、歴史を類比として理解するのです。・・・」(P244)

覚えるだけではなく、想像し当事者になってみることで歴史を体感する。

 

遠い国の遥か昔の出来事が、現代の日本にもありました。