「異邦人」 カミュ 窪田啓作 訳

・・・きょう、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない。養老院から電報をもらった。「ハハウエノシヲイタム、マイソウアス」これでは何もわからない。恐らく昨日だったのだろう。・・・(第一部)

 

昨年末に読もうとした「シーシュポスの神話(カミュ)」あえなく挫折しています。

本作は、薄めの文庫で読み易かった?が、やはりカミュは難解でした。

感情の起伏が少ない?ムルソー(主人公)・・・他人目線な文体がそうだからか。

そこまで世間に背を向けなくても、よかったのでは?裁判での死刑判決を控訴することもできたのに・・・不条理?。

不条理~ネットで調べると⇩⇩のようなことのようだが、解説も難解です。

不条理[名・形動]
 筋道が通らないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。「不条理な話」
 実存主義の用語。人生に何の義も見いだせない人間存在の絶望的状況。カミュの不条理の哲学によって知られる。

小説自体が不条理?です。

 

・・・すべてが終わって、私がより孤独でないことを感じるために、この私に残された望みといっては、私の処刑の日に大勢の見物人が集まり、憎悪の叫びをあげて、私を迎えることだけだった。・・・

 

この世間において(小説内では)ムルソーが「異邦人」(不条理を体現した人物)だった・・・ということでしょうか。